「デザインツールは何がおすすめですか？」
主にWebデザインを始められてすぐのデザイナーから頻繁に聞かれる質問であり、情報がない初学者にとって不安を感じる最初のステップと言える質問です。
Web制作には多種多様なデザインツールがあり、どれを使えば良いのか迷ってしまう人も多いでしょう。この記事では、Webデザインのプロセスに最適なツールの選び方を解説します。
結論、作りたいものに合わせて選びましょう
Webデザインにおいて最も重要なのは、作成したいコンテンツの性質を理解し、それに最適なツールを選ぶことです。
汎用性の高いツールもありますが、特定の目的に特化したツールを使うことで作業効率が大幅に向上します。
Webサイトのデザインを作るならFigmaかXD
FigmaとXDはWebサイトのデザイン作りに最適なツールでしょう。理由はシンプルで、Webサイトをデザインするための機能が備わっているからです。
Webサイトを作るときにはデザインの実機確認はもちろん、ページ同士のつながりや画面が変わるときの動きも大切です。これらの機能がFigmaやXDには用意されています。
FigmaとXDはプロトタイプツールとも呼ばれ、
- 実機に近いデザイン確認
- ページ内リンクの確認
- 簡易的なアニメーションの確認
といった、より実際のWebサイトに近いデザインができます。
FigmaやXDを使うとWebサイトのデザインをより完成形に近い形で実装できるため、Webサイトのデザインツールとしておすすめと言えるでしょう。
もちろんIllustratorのようなパス編集やPhotoshopのような画像加工機能もありますが、機能としては十分ではありません。だからこそ「使い分けが重要」という記事です。
バナー作成や写真加工はPhotoshop
バナー作成や写真加工にはAdobe Photoshopが不動の選択肢です。その豊富な機能は、クリエイティブなビジュアル制作において強力な武器となります。
バナー作成や写真の加工では色調整、切り抜き、効果の追加といった作業が頻繁に行われます。Photoshopはこれらの作業を直感的に、かつ精密に行えるツールを提供しています。
- 高度なレタッチや色彩調整で写真を自然に美しく仕上げる
- レイヤーを使った複雑な構成のバナー作成
- 効果やフィルターを利用した創造的な画像加工
それこそ「写真の中から人物を削除する」のような操作はPhotoshopの得意分野ですね。よりビジュアル重視な画像素材を作成・編集する場合はPhotoshopを使いましょう。
Photoshopは逆にパス（線）の扱いが苦手で、レイヤー構造も独特です。Webサイトの構成やロゴの作成等は苦手なツールなので、素直に他のツールを使いましょう。
アイコン・ロゴや印刷物はIllustrator
アイコンやロゴ、図形の作成といったベクター画像のグラフィックデザインにはIllustratorが適しています。
“ベクター画像”とは「点と線」で構成された画像で、素材を拡大・縮小いつもクリアでキレイなまま保つことができる技術です。
- Webデザインよりも大きくする必要がある印刷物
- ロゴやアイコンの様な単純な素材作成
- アニメーションに使うSVGの作成
写真のような「滲みがある」や「境界線がない」画像の取り扱いは苦手な反面、ロゴやアイコンのような点と線で表現できるような単純図形には強いです。
PhotoshopやIllustratorでサイトデザインはダメなの？
PhotoshopやIllustratorを使用してWebサイトのデザインを行うことは決して「ダメ」というわけではありません。しかし、最良の選択とは言い難いです。
ただし、Webデザインに特化したツールに比べるといくつかの点で不便さを感じるでしょう。PhotoshopやIllustratorを使ってWebサイトをデザインするのではなく、他のツールを検討すべき理由について説明します。
ダメではないが、使いづらい
PhotoshopやIllustratorは画像編集やグラフィックデザインには最適ですが、Webサイト全体のレイアウトやユーザーインターフェースをデザインするには向いていません。
- パーツの共通化
- ホバーアクションやアニメーション
- ページ間の繋がり
単一のページをデザインするLPデザインにおいても、ボタンのアニメーションやアンカーリンク等のページ内のアクションが必要になります。
これらのデザインをするのはPhotoshopやIllustratorでは難しいので、専用のデザインツールであるFigmaやXDを使いましょう。
ダメではないが、無駄が多い
PhotoshopやIllustratorでWebサイトのデザインを行うと、特にレスポンシブデザインを考慮した場合、余分な作業が多くなりがちです。
例えば、異なる画面サイズに対応するためには、複数のバージョンを作成する必要があり、これは時間と労力の無駄につながります。
最適なツールを選択することで、作業の無駄を省き、効率的なデザインプロセスを実現しましょう。
ダメではないが、修正しづらい
PhotoshopやIllustratorで修正する場合、例えば「ボタンを明るくして」という指示だけでも「え、どこのボタン？」と探すところからスタートします。
中には修正指示ツールを使うケースもありますが、それでも「毎回毎回デザインファイルをアップロードして指示範囲を操作して…」という手間があり非常にロスが多いです。
しかし、FigmaやXDといったプロトタイプツールは修正コミュニケーションをとることが前提です。
コメント機能やリンク機能があるので、都度デザインをアップロードする必要はありませんし、指示箇所も明確です。
使い分け、ちゃんとしましょうね
Webサイトのデザインにはいろいろなツールがあり、それぞれに得意なことや苦手なことがあります。
PhotoshopやIllustratorも素晴らしいツールですが、ウェブサイト全体のデザインを考えるときには、もっと適した選択肢があるかもしれません。
大切なのは、あなたのプロジェクトに最適なツールを見つけること。その選択を少しでも簡単にする手助けになれば幸いです。
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