画像のみで構成されるランディングページ(LP)は、本当にタブーなのでしょうか?

この質問は、マーケティングとウェブデザインの世界でしばしば議論されるトピックです。

多くのプロがテキストとビジュアルのバランスを重視する一方で、画像のみを使用したLPで結果を残している事例も数多く存在します。

この記事では、画像のみのLPが直面する課題と、それが持つ可能性について探ります。

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結論:LPは”画像のみ”でも問題ないケースも多い

画像のみで構成されたLPは広告用としてどうなの…?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、結論から言えば「ケース次第だが特に問題はない」が答えになります。

もちろん、目的によって画像が良いのかテキストが良いのかは変わります。

今回は画像のみでLPを実装することに対する

  • メリット・デメリット
  • よくある勘違い
  • 画像で制作したほうが良いケース

について解説していきます。

前提:画像LP=画像が表示領域の大半を占めるページ

画像中心とはいえテキストで作ったパーツを混ぜることは当然可能です。

むしろ「本当に100%画像だけ」というケースは稀だと思います。

そのため、この記事では「LP全体を画像で作る」のはどうか?という視点で説明します。

【注】本記事では「着地するページ」という広義のLPではなく「広告等で使用する購入やメルマガ登録等を目的とした縦長のページ」という意味で使用しています。

「画像LPは悪い」と思っている人の勘違い

勘違い①:表示速度が遅くなる

勘違いされている方も多いですが、画像だけのLPが必ずしも遅くなるわけではありません。

画像のファイルサイズや最適化の程度によっては、表示速度は十分に速くなります。

例えば、画像をWebPやAVIF形式に変換してキャッシュ設定を適切に行うことで、表示速度を大幅に改善できるケースがあります。

実際、弊社で制作した画像のみで10,000px近い長さを持つ画像のみのLPでもPageSpeed Insightsで高評価を取りつつ、1秒程度の表示速度で表示させることができた事例もあります。

正しい最適化手法を利用すれば、画像だけのLPでも十分に高速な表示が可能です。

勘違い②:広告評価が著しく落ちる

よく「画像の内容を(広告等を評価する)ボットは理解できないから」という方がいますが、これは半分正解で半分不正解。

画像の内容をボットが理解できないのは正ですが、そもそも広告評価はコンテンツのテキスト部分を最重要項目としているわけではありません

広告の評価は、LPの内容とデザインのクオリティ、そしてユーザー体験に大きく依存します。

実際、広告評価は落ちるの?

前職から広告とLPを見ていますが、正しく最適化されていれば評価はそこまで変わりません

画像が適切に最適化され、良いデザインと情報提供が行われていれば広告評価は保たれます。

実際、ある美容製品の広告キャンペーンでは、魅力的な画像とわかりやすいデザインのCTAを使ったLPが高い広告評価を受けていました。

広告経由の購買率やクリック率が「画像の中身がわからない」よりも優先された結果です。

LPのクオリティとユーザー体験を確保することで、画像だけのLPでも広告評価を維持できます。

勘違い③:テキストで作った方が高品質

こちらも勘違されている方がたまにいらっしゃいます。画像ではなくテキストで表示された方が高品質とは限りません。

画像ではなくテキストの方が大画面になった場合に高画質に表示される」という意味であれば正しいですが、これは表示領域の問題です。

画像は視覚的に訴求力があり、適切に利用することでユーザーの興味を引き、コンバージョンを促進できます。

高解像度のプロダクト写真や優れたデザインを採用したLPは、テキストだけのLPよりも高い評価を受けることがあります。

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ランディングページを画像のみで作るメリット

デザイン自由度の高いランディングページが作れる

画像LPではテキスト部分も画像に含めることでフォントやレイアウト、色合いなどを自由に設計できるので、デザインの自由度が格段にアップします。

これは画像だけのランディングページを作る最大の利点とも言えるでしょう。

たとえば、新製品の立派な写真やキャッチーなイラストを使って、訪問者の目を引くことができます。

画像を使うことでより自由な表現ができるようになり、ブランドのイメージや商品の使用感を効果的に伝えることも可能になります。

あくまで二次元的なデザイン(写真・イラスト等)に限りますが、デザイン自由度が高いのは強力なメリットです。

制作期間を短縮できる

画像主体のランディングページは、制作期間を大幅に短縮できるメリットもあります。

特にコーディングの期間が短縮できるのが大きいです。

弊社では画像のみのLPであれば1~3時間程度で納品できるのに対し、テキストになると2~3営業日は最低必要になります。

締め切りが迫っている時や急なキャンペーンで素早くページを公開したい時には、画像のみで構成されたLPはメリットが非常に大きいです。

求められる知識が比較的少ない

画像のみで構成されるランディングページは、制作に求められる知識が比較的少ないという利点があります。

HTMLやCSSでデザインやテキストを配置したり、JavaScriptでアニメーションをつけたり…等の求められる知識が少ないのは大きな利点です。

極端な話、コーディング知識が不要な「ノーコード」という選択肢もあります。

これは、特に小規模なビジネスやコーディングに慣れていないデザイナーやマーケターにとっては、有利な点となります。

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LPを画像でテキストで実装するメリット

逆にテキストで実装するメリットはなんでしょうか?

広告評価やSEO評価が獲得しやすい

先に「広告評価が著しく落ちるのは勘違い」とお伝えしましたが、影響が全くないというわけではありません。

一般的にテキストで実装されたLPは、画像だけのLPに比べて広告評価やSEO評価を獲得しやすいです。

テキストは検索エンジンや広告アルゴリズムを評価するボットによって読み取られ、その内容が評価されます。

例えば、重要なキーワードを含むページタイトルや説明文を作成する…等々

広告のクリック率や検索エンジンのランキングが向上する可能性があります。

SEO経由での流入が重要になるケースではテキスト実装はマストに近くなります。

アニメーションがつけやすい

先ほど「デザイン自由度は画像の方が高い」とお伝えしましたが、こちらも状況によります。

その代表例としてアニメーションや3DCG(WebGL)のような『画像の域を出る表現』が選択肢が入れば当然、テキストの方がデザイン自由度も高いです。(広告用のLPに使われるケースは稀ですが)

たとえば、テキスト実装することでボタンに複数のホバーエフェクト(マウスカーソルを合わせた時に表示されるアニメーション)を付けたり、背景に動的なアニメーションを追加したりすることができます。

アニメーションを多用するページの場合、テキストで実装した方が早いケースもあります。

細かい修正対応がしやすい

テキストをHTMLで実装すると、テキストの変更や色の変更等の細かい修正がしやすくなります。

画像だけのLPでは修正が必要な場合に画像を再編集し、再アップロードする必要があります。

しかし、HTMLでテキストを実装すると直接コードを修正するだけで済みます。

例えば、価格情報や製品の情報を頻繁に更新する等の場合、HTMLでテキスト実装していた方が簡単に変更でき、時間と労力を節約できます。

LPを画像で制作した方が良いケース

デザイン表現が売上に直結する商材の場合

デザイン性や訴求力が重要な商材の場合、当然ながら見た目の魅力が直接売上に影響します。

例えば化粧品やスポーツ用品といった商材は特に顕著で、デザイン性や訴求ポイントをより全面に押し出す方がコンバージョン率は高くなります。

こうした商品のランディングページでは、商品の質感やデザインを高解像度の画像で紹介することで、消費者の購買意欲を引き出すことができます。

また、画像内にテキストを埋め込むことで、特定のフォントやスタイルを保ちながら商品の魅力を伝えることも可能になります。

これは画像LPの強みです。

予算をデザインや広告費に回したい場合

予算が限られている場合、画像でLPを制作することでコストを抑えることが可能です。

例えば、画像1枚を作るコストよりHTMLとCSSを使ってページをコーディングしてもらう方がコストが高くなることがほとんどです。

コーディング費用を抑えて予算を広告費や他のマーケティング活動に回したい場合は画像LPがおすすめです。

一時的なキャンペーンやセールの場合

期間限定のキャンペーンやセールを実施する際も画像でLPを制作することは効率的な選択となることがあります。

短い時間でLPを作成→すぐに公開することが求められるため、コーディングにかける時間を短縮できる画像LPは非常に有力な選択肢です。

例えば、ブラックフライデーセールやホリデーシーズンのプロモーションなど、急に企画されるキャンペーンに対応する際には、画像だけのLPは非常に有力な選択肢となるでしょう。

モールECで販売する場合

モール型のECサイトで商品を販売する場合、デザイン自由度や制作期間とは違った意味で画像LPが推奨されるケースがあります。

というのも、多くのモールECではテキストのフォーマットやレイアウトに制限があります。

例えば特定のHTMLタグやCSS/JavaScriptに制限がある…といった場合です。

このような制限があったとしても「画像が表示できない」というケースはほぼありません

制限があるECモールでも、画像を利用することで独自のデザインやブランディングを表現することが可能になります。

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